先週金曜日の17日~19日まで、私たちのカルテットは
こちらの音楽祭に先生として呼んで頂いた。
この話が決まったのは何ヶ月も前なのだけれども、8月に私たちの定期演奏会も終わり、この音楽祭に関する資料なども手元に届きだし、どんどん日にちが迫ってくるにつれ、私の心は憂鬱に。
もともと私は、でかい体格と態度に見合わず超がつくほどの小心者で人見知り。新しい環境に取り組むのは苦手。
アマチュアの方々の中に混じって自分も演奏しながら「先生」をするってどうしたらいいの?
学校で生徒を教えるのとはまた訳が違うし。
もっと技術を向上させたいのか、あわせを楽しみたいのか、人それぞれ違うだろうし、どういう感じなんだろう。
となると、妄想協会、それもネガティブ妄想協会会長を自認するだけあって、私の中ではどんどんネガティブな妄想が広がっていくわけよ。
アマチュアの方々で音楽祭に参加して室内楽をしよう!というほど室内楽が好きな方ばかりが集まるわけだよね。好きなものにはどんどんのめりこめるから知識も豊富よね。時間さえ許せば練習してるのよね、もちろん家にいるときにはテレビなんて見ないで常にクラシック音楽がかかっているのよね、しかも、スコアとか見ながら聴いちゃってる?(序々に妄想開始)。
となると、いろんな曲を熟知してるに違いないわ。実際送られてきた表を見ると、かなり難しい曲もちらほら。
となると、
「あら、プロなのにこんなことも知らないのかしら。」
「ふーんあの程度でもお金もらって仕事してるんだ。」
「あたしの方が全然うまいじゃない?」
「そこ、音違いません?」
「こんなレッスンやってられないわ!」
とか思われちゃうのかしら(かなり妄想急加速中)。
もう
妄想でドラマワンクール分ぐらい出来ちゃう人な訳よ、私の場合。配役まで決めちゃえる勢いよ。
とまあ、妄想しながらもアマチュアの方と組んでの演奏、自分たちのカルテットの演奏もあり、毎日数曲の譜面とにらめっこ。そして私はセカンドパートを受け持つのだけれど、1stも弾けないと何か弾きにくいところなどを質問されたときに対応できたほうが良かろうと、どちらのパートも本番で弾いたことのある曲ばかりを選ばせてもらったので、一応両方の譜面を復習しなおし。
そして17日の朝、H嬢の車にて4人で河口湖へGO-!
途中でお昼を食べ、河口湖が近づいてくると、まあ、富士山のきれいなこと。
やっぱり「ふ~じはにーっぽんいちの~やま~♪」だね、なんていいながらも、
「でもだんだん近づいてきたわ、現実が。」とゆううつな顔になるK嬢と私。
K嬢は妄想のかけらもない真っ当な人なのだけれど、それだけに「どうなることやら」との不安が強かったようだ。
そして、会場の
『サニーデ リゾート』に到着すると、富士山が目の前に見えてあら素敵。
しばらくすると、この会のまとめ役でもあるOさんが明るく出迎えてくださった。以前JRライブの時にもお会いしているので堅苦しいこともなく。
「お座敷、よろしくお願いしますね。」と。
この一言で、「そうだわ、わたくしたちお得意のお座敷だわよ!」と急に気持ちが楽に。単純だわ。
その後レセプションがあり、2時から初レッスン。
そして実際一緒に演奏してみると、それぞれの一生懸命さは伝わってくるし、ここをもうちょっとこうすればもっとよくなるのに、って言うところがどんどん見えてきて、なんとなく「あ、こうしていけばいいのかな。」ってことがわかってくる。
途中でお茶をいただいたりもして和やかに。
そして、皆さん、私が言ったことに対しての反応が早いので、どんどん音が変わって行く様子が見えて私としては楽しくなってきてしまった(私が楽しんでどうする、だけど)。
何せ根が単純に出来てるもんだから、その環境に入ってしまえばあっという間になじめる性格。
こんな感じで6時に2クラス終了。
夕食はバーべキュー。ここで、ビール片手においしそうな焼き方をしている鉄板をめぐりつつ、皆さんと談笑。いろいろなお話が聞けて楽しい。けれど、そんなに酔っ払っている場合じゃないの。
夜は、バイオリンの会、ビオラの会、チェロの会、とそれぞれの楽器に分かれて合奏。
これを終え、部屋に帰ってみるとにこにこしたK嬢も帰ってきた。
「それがね、楽しかったのよ。」実はK嬢、この会がどうなるかが一番心配だったのだ。
よかったよかった。で、結局は憂鬱がってたK嬢と私、朝とは別人の明るい顔に。
じゃ、おふろに入って宴会しよっか。とH嬢と私は露天風呂に。ここのお湯がきつすぎず、あつ過ぎず、ぬるすぎず、とてもいいお湯でまた満足。
4人そろって「お疲れ様でした、」の乾杯をし、今日の出来事を報告しあってたけど、珍しくSちゃんがこの夜はぐーったりしていたわ。
翌日も朝からレッスンがあるので、いつもに比べたらかなり控えめな飲みで就寝。
翌日も午前、午後と2コマのレッスン。
そのうちの一組「アメリカ」は演奏会でも弾くので、また、それにあわせてのレッスン。
そして、この日にはやマネージャーのY嬢やだんなはん、Sちゃん一家も到着。
この日は夜のパーティーまで時間が空いたので、ワイン蔵に行ったり買出しに行ったり。
そしてその夜のパーティー。
これが最高に笑わせてもらったわ。皆さん芸達者。私たちも見習わなきゃだわね、ということが一杯。そして、最後に70代のCさんのチェロは素晴らしかった。
私たちの年齢で、「だんだん、小指の動きが鈍くなってきたよね」とか「いつまで楽器弾けるんだろう」とか言ってる場合じゃないのよ。音楽に対する気持ちが変わったかも。
Y嬢も飛び入り参加して(私はその場にいなかったんだけど)大喝采だったとか。さすが!
その後は懇談会。今回オーボエの先生としてきていたMっち(Sちゃん以外今回初対面
だったのに、ノリがよくてあっという間に私たちと意気投合)と私たちと、参加している皆さんとの懇談会なんだけど、こんなに砕けた雰囲気でよかったんでしょうか。。。。
ま、その夜はMっちも交えて宴会。
翌日は9時から演奏会をするメンバーと練習。昨日より格段によくなって来ていて楽しい。
しかも、こんなに演奏しているのに私が気がついていないところを発見させてもらったり。
ありがたや!
11時からは私たちのカルテットの練習。朝から弾きっぱなしでみんなへばって来てます。
そしてそれぞれの担当カルテットとの会場リハーサル。
そして、2時半から演奏会。
それぞれ、とてもいい演奏だったと思う。
本番でどんなことが起ころうと、人前で演奏するという意識をもって練習をするのはまた違う緊張感と一体感というものがあるのだ。
すべてを終えてみんなで記念撮影。
お疲れ様でした。
私たちは今回ここに先生として参加させていただいたけれど、実は勉強させていただいたことの方が多かったのではないかと。楽器に対しても音楽に対しても人生に対しても。
レベルの違いはあれど、みんな室内楽が好きで、夜12時まで練習していたりもするし。
室内楽って一人では出来ないものだからこういう会はとても貴重なものだと思う。
そう思うと、こうやって自分たちがカルテットを続けていられることも貴重なことなんだと思うし。
3日間スケジュールびっちりで身体は疲れたけれど、富士山の雄大な姿に癒され、私の妄想とは真反対の温かい方々に囲まれ、とてもいい経験をさせていただきました。
お世話になった皆様、一緒に演奏してくださった皆様、ありがとうございました。
そうなのよね。新しいことに挑戦した後は「やってよかった、なかなかこんないい経験できないわ。」って必ず満足に思うのに、何でいつもその前にネガティブ妄想で盛り上がっちゃうのかしらね、私ってば。
いい加減その辺学習したいもんだけどこれがなかなか。
そして帰り際「参加させてもらってよかったよ!」と笑顔の私たちにY嬢。
「この話が来たときから、これはみんなに向いてるなっておもってたの。」
さすがマネージャーY嬢。私たちのこと良くわかってくださってます。
珍しく宴会があっさりしてるって?だって朝から仕事ですもの。
でもね、きっちりのみましたよ。それはまた今度。