9月に入る頃、遅めの夜に家電のベルが鳴る。
きたきたきた。さっそく電話に出ると、
やっぱりアイコだ。
「無事生きてる~。」「なんとか無事~。」
つくばのアイコとは普段なかなか会えないけれど9月には必ず飲むことにしている。
9月11日は京都のうわばみ姉さまとお別れした日だから偲ぶ飲みをしないとね。
で、本宅茨城、別宅松戸なアイコと飲むのはどうしても常磐線沿線になりここ2年は松戸で開催。今回も松戸かな~、なんて考えながら…。
「それにしても『ふしみや』さんがなくなってびっくりだし、寂しいね。」
なんて話をしてて
「うん、京都に行ってもうわばみ姫を語れるところがなくなっちゃったね。実は『磯一』っていう店があってそこはうわばみ姉さまもふしみやさんとも関係あるから一度アイコを連れて行きたいんだけど板橋じゃアイコ無理だしね。」アイコは飲むと30分以上乗り物は無理なのだ。
するとアイコが
「板橋って埼京線だっけ?」「うん、」
「それがさぁ、別宅が2週間くらい前に引っ越して大宮に移ったのよ。」
「え~?そうなのぉ?」
「だから今年はどの辺りで飲むか考えてたとこなんだったの。板橋なら一番いいべ!」
「ホント!?なんというタイミング。先月行った時に店主にもアイコの話をしてたところだったんだよ~!」
ということで今年の「うわばみ姉さまを偲ぶ&2人の一年の禊会」は磯一に決定!
うれしいなぁ、アイコと磯一に行けるなんて考えてもいなかったから。
早速磯一の店主γちゃんに予約メール。
すると「料理はおまかせください。当日は腕をふるう所存です。」とのありがたいお返事。楽しみだ~!
さて、当日。果たしてアイコが初めての地、板橋にたどり着けるかが一番の心配だったけど、なんだか大きなガラガラ引きながら走って改札にやってきた。まあ、道中色々あったらしいけど、ともかく無事到着。えらい、えらい!
そして『磯一』に到着。カウンターに座り先ずビール。
よくぞここまで辿りついたね、さぞビールが美味しかろう。
「では今年も一年無事に乾杯出来ることに乾杯!」
人によって生きていく上で日々大変なことってなんとなくあると思うんだけど、アイコと私はそこの部分がドンピシャなのだ。まあお互いいろいろやらかした事を一年に一回語り合って清算するっていうね。
姉さまとアイコの妹なおちゃんにも献杯。
さあ、料理をいただきましょう。
アイコはここに来れるって決まった日からHPなどを見てちょっと興奮状態だったらしい(笑)。
先ずは
小あじの刺身。
いや~ん、身のしまりと脂の乗りが最高。
となると。。。。さっそく日本酒も頼んじゃいます。
日本酒メニューも秋になりましたね。
γちゃんに選んでもらったのは三重の「田光」
うん、美味しい。夏はさっぱりしたお酒が良かったけど、秋にはこのくらいの味が美味しくなるのね。アイコは「日本酒飲むとぶっこわれるから」と私のお酒の味見程度。
次に出てきたのは
太刀魚のお開きの干し焼き。
太刀魚を開くていうのも干すっていうのも初めて。これがめちゃくちゃ美味しい!身がほわっほわだし塩加減も素晴らしい。
お酒を飲みながらだし食べるのも遅い私。すでに食べ終わったアイコが「これ、美味しかったなぁ。。」と私のお皿を覗きこむので「え、取らないでよ!」と言ったらすんごいびっくりしたあと「ちょっとぉ~。なにそれ(笑)」
普通さぁ。
ア「それ美味しかったなぁ。。」
雪「あアイコもう少し食べたい?少し私のあげようか?」
ア「そんないいよいいよ、それ雪ちゃんのだもの。」
って会話を想像するじゃない?それを「取らないでよって!しかも手で隠したでしょう(笑)!」
「だってアイコがものほしそうな勢いだったんだもん。とにかくこれは私の物。」
美味しいものは人には譲れません。これ、もう一回食べたいくらいです。
そして太刀魚の卵の煮付け。
ビールも日本酒も進みます。
次は
秋刀魚の肝焼き。今年初秋刀魚。しかも肝焼き~!
あ~~~美味しい。嬉しい。秋刀魚はさ、肝が肝だよね。身への火の入れ方も絶妙。秋だね~。
全体的に写真がブレブレなのは2人で笑いすぎて丁寧に写真撮ってる場合じゃないのと、ちょうどシャッターを押すときにアイコと肘がぶつかったりするから(笑)。
日本酒のお代わりは岩手の「吾妻嶺」です。
そして、タコのから揚げ。
日本酒お代わりしたけど、これはビールだね。スダチがいいね。タコが柔らかい。
最後はあん肝
また日本酒がすすむわ~。
どれも本当に美味しかった♪そしてちゃんと前回行った時と料理がかぶらないようにしてくれてるのね。
料理で秋を感じさせてくれました。
さすがの『磯一』γちゃんです。
そのころにはさっさとのれんを下してくれてγちゃんも話に入ります。
板場で職人作業している時には一見厳しく見えるγちゃん。だけど、のれんを下した途端本来の顔に戻ります。
アイコもγちゃんのことを厳しい感じに思っていたのでアイコにしてはおとなし目にしてたんだけど、のれんを下した後のγちゃんの変貌ぶりにびっくり。
姉さんの話やいずれ磯一の四代目となるγちゃんの息子への英才教育(食のね)の話で盛り上がる。
小さい時からキチンとしたものを食べていくって大切なことなんだなぁ。
アイコもすっかりリラックスしてビールが進んじゃってます。
うわばみ姉さまとの出会いの時からの話やふしみやさんの話も存分にできたし、γちゃんが腕をふるってくれた料理も美味しかったし、そして何より絶対一緒に来ることが無理だと思っていた「磯一」にアイコと来れて嬉しかったし、相変わらずアイコとの話は涙が止まらないほど笑いっぱなし。
これを力にまた一年頑張っていきていくのだ。
でも、本当に、アイコの別宅が大宮に移ったのが数週間前。もしもっと遅かったらこの場はなかったってこと。
何だろうこのタイミング。
2人で「やっぱりうわばみちゃんの采配だよね~~!」
いままでもうわばみねえさんの采配としか思えないことが何回かあったんだよね。
もちろん、4年前アイコとあきちゃんと京都に行けたのも姉さまの采配。
今年もおかげで最高に楽しく過ごせました。
アイコ、一年頑張っていこうね。
γちゃん、いつも美味しい料理をありがとう。
しっかしよく笑った夜だったことよ。