さて、ライブも迫り何かとあわただしい時期ですが、この曲に関しては、語っておきたい!
そう、ショスタコーヴィッチ「弦楽四重奏曲第8番」。
先ずは
この曲の背景byウィキ。
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弦楽四重奏曲第8番 (ショスタコーヴィチ)
弦楽四重奏曲第8番ハ短調 作品110は、旧ソ連の作曲家ショスタコーヴィチによって1960年に作曲された弦楽四重奏曲である。作曲者によって「ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に」捧げるとしてあるが、ショスタコーヴィチ自身のイニシャルが音名「D-S(Es)-C-H」で織り込まれ、自身の書いた曲の引用が多用されることにより、密かに作曲者自身をテーマにしていることを暗示させている。15曲あるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の中で、最も重要な作品である。
作曲の背景 [編集]
弦楽四重奏曲第8番が作曲された1960年は、ショスタコーヴィチにとって大きな精神的危機に見舞われた年であった。この曲を書く直前の6月、不本意ながらも共産党に入党することを決意したのである。その1ヶ月後、戦争映画『五日五夜』の、ソビエト軍によるドレスデンのナチスからの解放の場面のための音楽を書くためにドレスデンに行ったショスタコーヴィチは、戦争の惨禍を目の当たりにし、自身の精神的荒廃と重ね合わることになる。そこで表向きには「ファシズムと戦争の犠牲者」に献呈するようにみせつつ、圧政により精神的荒廃に追い込まれた自身への献呈として、1960年7月12日から14日のわずか3日間でこの曲を作曲したのである。
1960年7月19日に作曲者が友人グリークマンにあてた手紙には、映画音楽の仕事が全く手に付かずに、ひらすら弦楽四重奏曲の作曲に向かったと述べ、「この曲を書きながら、半ダースのビールを飲んだ後の小便と同じほどの涙を流しました。帰宅後もこの曲を二度弾こうとしましたが、やはり泣いてしまいました。」と苦しい気持ちを訴えている。
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こういう背景のもと書かれたこの曲。
そしてショスタコーヴィチはこの曲を自分へのレクイエムと考えていたとも言われています。
今回ライブの曲を決めるときに晶ちゃんが一番やりたがっていた曲。
その理由の中に「体力のあるうちにやっておきたいから。」っていうのがあって、皆で曲を聴き、またショスタコーヴィッチ(以下ショスタコ)は一度はカルテットとしてやっておくべき!という意見もあり決定。
だが、演奏時間約20分、楽譜を見たところさほど体力を必要とするとは思えないんだけど。
そして実際リハーサルが始まると、まずはこの曲の重苦しさをひしひしと感じちゃって弾き終わった後に暗ーい気持ちに。曲にどんな意味が込められているのかがわからなくて「これはどんなふうに弾くべきなの?」「これは何を表しているのかしら?」とまわりに聞いてみたりして、全然この曲の世界に入り込めず。
「一楽章は忍耐の修行、2楽章は数える修行、…」のように思ったのみ。
そしてこの曲、1-5楽章までをすべてattacca(続けて)で演奏するので20分間張りつめたまま。そこでも体力と気力を使う。うはぁ~、と思っていたけど、リハを重ね、いろんなカルテットの演奏を聴いたりしていくうち、あるときからこの曲を練習しているときにいろんな感情や気配をびしばし感じるようになってきた。
この曲のなかでぱぁーっと明るく光が見えるようなところは全く感じられず、救われる部分もほんの1,2か所。それも本当の救いじゃなくて悲惨さのなかの一筋の弱い光だったり、幻想なのでは、という感じ。
この曲から私が感じるのは荒廃した土地だったり、支配されるものへの抵抗だったり、惨状だったり、やりきれない感情だったり。弾けば弾くほどあふれ出てくる。これも私の妄想族部分だけがはたらいているのかもしれないけれど、ひそかに目頭が熱くなることさえも。
曲の最初から最後までが何か物語的なものでつながってのではなく、何かが突然踏みにじられたり、それに対する抵抗だったり、場面場面で出てくるのよね。
始めは思わなかったけれど、今となっては「この曲すごい!」。
20分の中にこれだけのおしこめられた感情や情景みたいなものがおりこまれているなんて!
もっと早くその凄さに気づけよって話だけどね。
でも思っただけじゃだめで、それを楽器を通して聴衆に伝える、というのが楽器弾きの仕事なのよね。
ふぅー。こういうタイプの曲は初めてなので、精神的にも体力的に今までとは全く違ったきつさみたいなものがあるけれど、やはりやっておくべき曲だったんだな、と思う。
そんなで、今、この曲に入り込んでおります。
これは聴いてくださるお客様もなかなか大変だと思うし、弾き終わった後に「ブッラボ~!」パチパチパチって感じじゃなく、「シーーーン…」とすること間違いなし。
だけど、休憩時間にワインで気を取り直してね。もちろん一人余韻に浸るもあり。
こういう表現の曲もあるっていう意味では曲として聞く価値ありです。その価値ある演奏になるかは…
乞うご期待!?
私としてはいままでの自分には経験のない終始押し殺した中での表現という曲を弾くことができて面白い。
それを人様に伝え事が出来るかどうかは今奮闘中だけど。
聴くと弾くでは違うけれど、聴いていただくお客様にもこの曲の背景を知って聴いていただけたほうが聴きやすいのではないかと思ったし、私の感じるところも大きいので、ショスタコ8番について語らさていただきました。
もちろんプログラムにも晶ちゃんが解説してくれていますので、そちらも読んでくださいね。
そして、こんな曲紹介をしてしまうと「なんだか行くのに気持ちが重いわ~。」とか思われるかもしれませんが、大丈夫!
この曲の前に用意している曲は「あっかる~い!」曲だし、2部はいつもの通り、いろいろなポピュラー曲を取り揃えていますので、全体を通して楽しんでいってください♪
9日土曜日、代々木上原ムジカーサにてお待ちしております!
お問い合わせ、お申込みは
こちらから。
ちなみにこれが2nd、ヴァイオリンの譜面1ページ目。
やっぱり「耐えるの修行」!?