もう10日以上前になりますが、大学時代の恩師とその門下生達での集いがありました。
先生とこうして集まるのは卒業以来。
先生は世界的に活躍するヴァイオリニストですので、そのお姿は演奏会のポスターやテレビで拝見していましたが、もう〇十年前の出来のお悪い弟子の事など記憶にないでしょうと思いこんでおりました。
それが九州に住む先輩が先生のコンサートに行って先生とお会いした時に「あの頃のみんなと会ったりするの?」という話から、あの頃の門下生で先生の紫綬褒章受章やデビュー50周年のお祝いをしましょうという話に。
先生が大学にいらした期間も短かったし、各学年1,2名くらいしか生徒はいないので門下生の集いといっても人数は少ないのですが、その少ない門下生でさえ、ベルリン、九州、京都、と住んでいるところも離れているしし、お忙しい先生との予定が合う事なんてあるんでしょうか。
でもね、このとき何かが味方してくれたとしか思えないタイミングで、ベルリンからkちゃんが帰国、先生とも予定が合い、話が出てからわずか3週間後には先生を囲んで食事会が出来ることに。
さて、問題は先生をどこにお連れするかです。
ちなみに私の卒業祝いは帝国ホテル内の高級レストランでございました。
食通の仕事仲間の方々にヒントをいただき、東京にいる先輩と実際に食べに行ってみたりして、お祝いの品も選んだり、とあわただしいく過ごすうちに当日です。
麹町の一軒家のイタリアンに集合。
みんな久しぶり~、変わらないね~!なんて門下生6人、再会できたことに盛り上がっているところに先生登場。
あれから〇十年経ったとは思えない美しさと品でございます。
先生も全員の事を覚えていてくださって、懐かしがってくださいます。
食事をいただきながら話が弾みますが、先生に近況を聞かれるのが一番困る、形見が狭い「この歳で独身、フリーター」。話が広がらなくてすみません。しかも続けている演奏活動が「芸者」...絶対言えない。
でも、全員が健康で曲りなりにも音楽で暮らせていることが何よりということで。。。
でも、他のみなさん、オケや学校などで活躍しているので会全体としては話が尽きません。
学生と先生という関係の時よりはこちらも緊張は少ないし、先生も「あのころはまだ若かったから。」なんて言いながら結構ぶっちゃけて話もしてくださったりで11時半に始まったのにお店のランチ時間が終わる3時まであっという間に時間がすぎます。
せっかく集まれたし、まだまだ話も途中な感じだったのでそこからタクシーで移動してホテルのラウンジでお茶します。
先生は弦楽器の音を聴いたことが無い方々のためにご自分でプロデュースして演奏会を開いたりと活動の場を広げています、それも「値段が高かったら意味がないじゃない。」ということで安い値段で気軽に音楽が聴けるようにという主旨で活動を行っているとのこと。本当に尊敬します。
話はもちろんクラシック音楽の事が中心、となればベルリンで活躍するkちゃんからいろんな話が出てくる出てくる。もちろん先生も知っている方々なのでカタカナの名前が飛び交います。
私、日本人の名前さえ覚えられないのに、カタカナの名前覚えられるっていうだけでも皆さんを尊敬します。というレベルの低さで、会話をきいていたけれど、普段狭い世界で生活していると聞けないような話がたくさん聞けてほんとに面白かった!
そんなこんなであっという間に6時過ぎに。
いやー、楽しかったしあまりにも変わらぬ先生に感動です。
最後に先生を囲んで写真を撮りましたが、先生はやはりスター。輝いてます。
先生からのお言葉は「今が今後(6、70代)につながる。」です。楽器のことも体のこともね。
説得力ありすぎです。
ラウンジを出て先生をお見送りしたのですが大学時代と全く変わらぬ後姿と優雅な足どりに生徒一同「素晴らしすぎる!」でした。
そのあとはせっかくこうやって集まれたから、と門下生で居酒屋にて乾杯。
なんで先生が歳をとらないかについては「さらう人は歳とらないんだと思う。」という結論に。
あと、在学中に先生の音階を聴いて「曲を聴いているように美しい音階だった。」なんて話も。
この日中に京都に帰らなきゃならない方もいたので、その時間までわいわいやって、また来年もこういう会を実現しましょう。ということで解散。
本当にいい会でしたし、先生や皆さんにお会いできて刺激も受けました。
ああ、大学の4年間、もっと必至で練習してたらもっと先生から学べることはいっぱいあったのに、とあの頃が悔やまれますが、ばりばり現役のヴァイオリニストの先生に4年間学べたことは貴重だったし、今もこうして刺激を受けられることは幸せなことですね。
そして刺激を受けた私。
翌日から「美しい音階」を目指し、音階の練習に必死に取り組みました。
私のすごくいいところは、良くも悪くも周りの影響をものすごく受けやすいところ。
そして私のすごく悪いところはそれが3日と続かないところ。。あぁ、これだからダメなのか。
と思っているところになんと先生から直筆のお礼状が。
恐れ多すぎです。
歳をとらないためにもせめて音階、ちゃんとさらわないと、だわ!
先生は一生先生なのですね。そしてこの方を先生と呼べることは私の人生の宝の一つです。